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非静力学数値モデル研究連絡会(非静力2000)の活動

 21世紀には気象予測や気候監視について一層高度な情報が求められるようになる。このような要請に応えるために、次世代気象学は精密科学を指向しなければならない。そのための研究基盤として、高性能の非静力学モデルは欠くことのできない道具である。多機能で高精度の非静力学モデルシステムの開発には、多くの専門家の協力が必要である。また、モデルの性能を向上させるためには、様々な事例でくり返しテストを行う必要がある。何よりも人材の育成が不可欠である。

 以上のような認識に基づき、非静力学数値モデルの共同開発と高度利用を目指す有志団体として非静力2000を発足させた。2001年4月には、多くの気象学会員と連携を図るため、「研究連絡会」活動を開始した。現在の活動目標は以下の通りである。

  (1) 高精度非静力学モデルを利用した気象および気候研究の推進
  (2) 高精度非静力学モデルの力学フレームの開発
  (3) 高精度非静力学モデルのための物理過程パラメタリゼーションの開発

 海外には幾つか強力なコミュニティーモデルがあり、それを中核として気象学の研究が行われている。非静力2000は母屋を張るような大きな組織は持たないので、「分散型」研究グループとして、ネットワークによって情報を交換し、非静力学数値モデルの開発と利用を推進する。全体が機能するまでには時間が必要である。できるだけオープンに活動し相互扶助の精神で必要な基盤整備を実施する。

非静力学数値モデル研究連絡会 事務局長 岩崎俊樹