ヤマセ研究の趣旨


 ヤマセは、東北の太平洋に吹き付ける冷涼な東風で、しばしば冷害の原因となり、社会的・経済的にも大きな損失をもたらした。 最近では、1993年、2003年と、ほぼ10年に一度の割合で、深刻なヤマセの洗礼を受けている。 東北地域で最も関心の持たれている気象現象の一つである。 中高緯度の海洋上に広く分布する海上層積雲が湿潤な冷気の形成に深くかかわっている。 その予測精度の向上のためには、大気海洋相互作用、浅い湿潤対流、雲放射・形成相互作用などを理解する必要がある。 一方陸上に侵入した冷気は複雑な局地循環を形成し、人々の生活や農業に大きな影響を与える。

 ヤマセはすそ野の広い研究対象である。東北の研究者が分野を超えて集まり、ヤマセについて理解を深め、予測精度の向上とその高度利用を目指すために、ヤマセ研究会を発足させることにした。

 第13回ヤマセ研究会からは、テーマはヤマセに限らず幅広く以下の内容を対象とする。
(1)東北地域の温暖化とその適応策
(2)気象観測、気象予測・気候予測情報の高度利用
(3)関連する数値モデル技術の向上